エンパナーダ・ガジェガとは
エンパナーダ・ガジェガ(Empanada Gallega)は、小麦粉などで作った生地の間に、魚介、肉、野菜などの具を広げて包み、大きな一枚の状態で焼くスペイン・ガリシア地方の料理です。
具材にはボニートやツナ、イワシ、タラ、タコ、貝類、肉などさまざまなものが使われます。今回CookClipで比較する6本はボニートまたはツナを中心にしたタイプで、玉ねぎやピーマン、トマトなどのソフリートを合わせています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現地語名(スペイン語) | Empanada Gallega |
| 英語表記 | Galician Empanada |
| 国・地域 | スペイン・ガリシア州 |
| 料理タイプ | 生地で魚介や肉、野菜などの具を包み、オーブンで焼くガリシアの料理 |
特徴・材料・基本的な作り方
大きな生地で具を上下から包む
小さな半月形のエンパナーダとは異なり、ガリシア式では生地を大きく伸ばし、下の生地に具を広げ、もう一枚の生地をかぶせて縁を閉じる作り方がよく見られます。焼き上がったあとに切り分けて食べます。
玉ねぎを中心にソフリートを作る
今回確認したボニート・ツナ系では、玉ねぎ、ピーマン、トマト、にんにくなどを炒めたソフリートを作り、魚と組み合わせています。具を十分に冷ましてから生地へ包むことも重要です。
生地は発酵ありと発酵なしに分かれる
パンに近い発酵生地を使うレシピもあれば、酵母を使わず、薄くカリッと焼く生地もあります。今回の6本には両方のタイプが含まれているため、生地の違いが比較しやすくなっています。
主な材料・調味料
- 主材料:ボニート、ツナなど
- 生地:小麦粉、水、オリーブオイル、塩など
- 発酵:レシピによってパン酵母を使用
- 野菜:玉ねぎ、赤・緑ピーマン、トマト、にんにくなど
- 追加材料:ゆで卵など
- 油:オリーブオイル。ソフリートから出た油を生地へ使うレシピもある
- 仕上げ:溶き卵を塗って焼く方法がよく見られる
基本的な材料は似ていますが、実際の6本を比べると、生地を発酵させるか、ソフリートの油を生地へ使うか、ボニートやツナの量、玉ねぎやトマトの割合、焼成時間などに違いがあります。
6つの動画レシピを比較
CookClipでは6つのエンパナーダ・ガジェガ動画レシピを掲載しています。すべて魚を使ったタイプですが、生地の発酵、ボニートとツナの違い、ソフリート、生地へ加える油など、作り方には明確な差があります。
ここからは一般的なエンパナーダ・ガジェガの説明ではなく、掲載している動画や公開レシピを横断して整理した比較です。
| 動画レシピ | 生地 | 具・特徴 |
|---|---|---|
| Cocinando a mi manera | 発酵なし。小麦粉に温水200mlと、ソフリートから取った油200mlを加える。15〜20分休ませる | ツナ、玉ねぎ、ピーマン、にんにく、トマトソース、ゆで卵。約180〜190℃で焼き、公開レシピでは約55分 |
| La Cocina de Loli Domínguez | 小麦粉450g、オリーブオイル100ml、白ワイン50ml、水50ml、パン酵母25g。約1時間30分発酵 | ボニート260g、玉ねぎ1kg、にんにく、緑・赤ピーマン、トマトソース、ゆで卵。約190℃で30〜40分 |
| Antía Aller | 詳しい配合は個別記事で確認 | ボニートを使った本格的なエンパナーダ・ガジェガとして掲載 |
| Cocina Para Todos | 自家製生地 | ボニートを使ったタイプ。生地から作る工程をほかのレシピと比較できる |
| Las Recetas de MJ | 小麦粉530g、水165ml、パン酵母6g、塩20g。ソフリートの油も生地へ加える | ボニート400g、玉ねぎ2個、にんにく1片、トマト6個、赤ピーマン1/2個、ゆで卵2個 |
| El Pastificio de Nicola | 詳しい配合は個別記事で確認 | ツナとピーマンを使った伝統風のエンパナーダ・ガジェガとして掲載 |
6本を比較して分かったこと
最も大きな違いは発酵の有無
Cocinando a mi maneraでは酵母を使わず、薄くカリッとした生地を作ります。一方、Loli DomínguezやLas Recetas de MJではパン酵母を使います。同じエンパナーダ・ガジェガでも、パンに近い生地と発酵なしの生地に分かれます。
ソフリートの油を生地へ戻すレシピがある
Cocinando a mi maneraでは、ツナや野菜を炒めたあとに残る油を200ml取り、生地の油脂として使います。Las Recetas de MJでも具から出た油を生地へ加えます。フィリングと生地を別々に作るのではなく、ソフリートの風味を生地へつなげる方法です。
Loli Domínguezは玉ねぎを非常に多く使う
Loli Domínguezではボニート260gに対して玉ねぎを1kg使います。玉ねぎを長時間じっくり炒めて甘味とうま味を引き出し、ピーマン、トマト、ボニートと組み合わせる構成です。
Las Recetas de MJはトマトをしっかり使う
Las Recetas de MJではボニート400gに対し、洋梨形トマト6個、玉ねぎ2個、赤ピーマン、にんにくを使います。Loli Domínguezの玉ねぎ中心のソフリートと比べると、トマトの存在感が大きい構成です。
ボニートとツナの両方が使われる
今回の6本には「bonito」を使うレシピと「atún/ツナ」を使うレシピがあります。どちらもマグロ類ですが、使う魚の種類や缶詰・油漬けの違いによって風味や食感が変わります。
具を冷ましてから包むのが重要
温かいソフリートをそのまま生地へ置くと、生地がやわらかくなり扱いにくくなります。複数のレシピで、具を十分に冷ます、または余分な油や水分を切ってから包む工程が重視されています。
エンパナーダ・ガジェガは生地と具を別々に見るだけでは分かりにくい
6本を比較すると、魚や野菜の違いだけでなく、ソフリートの油を生地へ使う、発酵時間を取る、発酵させず短時間休ませるなど、生地とフィリングの関係にも作り手ごとの特徴があります。
目的別に動画レシピを選ぶ
6本は魚を使う点では共通していますが、生地とソフリートの作り方が異なります。「どれが一番よいか」ではなく、発酵時間や使いたい魚、作りたい生地から選ぶと分かりやすくなります。
| 作りたいタイプ | 動画レシピ | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 発酵を待たずに作りたい | Cocinando a mi manera | 酵母を使わず、15〜20分の休ませ時間で生地を作る |
| 玉ねぎたっぷりのボニート版を作りたい | La Cocina de Loli Domínguez | ボニート260gに玉ねぎ1kgを使い、じっくり炒めたソフリートを中心にする |
| 本格的なボニート版を比較したい | Antía Aller | ボニートを使った別の本格系レシピとして、生地と具の違いを比較できる |
| 自家製生地から作りたい | Cocina Para Todos | ボニートのフィリングと自家製生地を組み合わせる工程を確認できる |
| トマトをしっかり使ったボニート版を作りたい | Las Recetas de MJ | ボニート400gにトマト6個を使い、ソフリートの油を発酵生地にも利用する |
| ツナとピーマンの伝統風を見たい | El Pastificio de Nicola | ツナとピーマンを中心にした別の伝統風レシピとして比較できる |
ここでの分類は料理の優劣を決めるものではありません。生地の発酵、魚、ソフリート、油の使い方など、各レシピの違いをもとに選びやすく整理しています。
6つの動画レシピを詳しく見る
- 発酵なし生地で作るツナのエンパナーダ・ガジェガ|Cocinando a mi manera
- ボニートとたっぷり玉ねぎのエンパナーダ・ガジェガ|La Cocina de Loli Domínguez
- ボニート入り本格エンパナーダ・ガジェガ|Antía Aller
- 自家製生地で作るボニートのエンパナーダ・ガジェガ|Cocina Para Todos
- 自家製生地で作るボニートのエンパナーダ・ガジェガ|Las Recetas de MJ
- ツナとピーマンの伝統風エンパナーダ・ガジェガ|El Pastificio de Nicola
よくある質問
エンパナーダ・ガジェガは必ず発酵生地ですか?
必ずしもそうではありません。パン酵母を使った生地もあれば、今回のCocinando a mi maneraのように酵母を使わず、薄くカリッと仕上げるレシピもあります。
なぜソフリートの油を生地へ使うのですか?
野菜や魚の風味を含んだ油を生地へ使うことで、フィリングと生地の味をつなげられます。今回のCocinando a mi maneraやLas Recetas de MJでもこの方法が使われています。
ボニートとツナは同じですか?
どちらもマグロ類として扱われますが、スペイン語の「bonito」は一般的な「atún」と区別して使われることがあります。缶詰や油漬け製品でも魚種や風味が異なるため、レシピの表記を確認すると違いが分かりやすくなります。
具は必ず魚ですか?
いいえ。ガリシアのエンパナーダには魚介だけでなく、肉、タコ、貝類、タラ、イワシなど多くの具があります。今回比較している6本が魚系にそろっているだけです。
なぜ中央に穴を開けるのですか?
焼いている間に内部の蒸気を逃がすためです。中央に小さな穴を作ったり、生地へフォークで穴を開けたりする方法があります。